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全米五大ＳＢの一角。パーカーが「恐るべきワイン／間違いなく米国産ソーヴィニヨン・ブランで最もエキサイティングなものの一つ」と語るのもよくわかる、米国産ＳＢの最高峰。付け加えるなら、「安定感も抜群」です。’０８年から８年連続全米（単一）ＳＢの五指に入り続けている作品など、今作を除いて他に無いのではないでしょうか？ただ、こうした状況が現地での需要増、それに伴う日本出荷量の減少を招いていることも事実。ヴィンテージによっては単体出荷禁止になることもしばしば。安定感、質の両面でこれと互角に競り合えるＳＢは、米国にはもう『ヴィンヤード２９』と『レイル』のジョージア、『アイズリー』くらいしか残っていません。出会いは２０１０年２月。２０１０年２月２５日、東京は五反田のガレリア・ホールにて、複数社インポーターによる合同試飲会「TokyoWineComplex」が開催。計２１社のブースを巡る中、足を掴まれたかの如くその場でいやおうなく立ち止まらされた品が『ラプレ・ミディ』…当時の年号は’０８年でした。これは何たるソーヴィニオンか…と真っ先に感じたのは、もうこれは「ソーヴィニヨン・ブラン種では無い」とすら思わせるその存在感。例えば樽のあるカリフォルニア産ＳＢ、或いはニュージーからの、シャープな酸を持つ爽快なＳＢ、そういったものとは同じ枠に収まりきらない（なんというか次元が違う）ワインでした。それはどちらが格上であるとか、そんな陳腐な解釈を躊躇うもの。洗練された果実味とあまりに美しい酸は決して一般的なソーヴィニオンとは相成れなぬ類の、かといってシャルドネとも違う独特のカラー。もうこのワインは単体として新しい独自の品種を名乗らせたいと思うほど一線を画した世界観を抱えていました。葡萄は手摘み収穫された後に全房プレス。発酵は自然にまかせ、果実風味と溌剌としたキャラクターを保つためにマロラクティックは無し。そして一部の最上級ＳＢと同様、ＰＭのそれにもムスケ・セレクションが使用されます（約３０％）。ソーヴィニヨン・ムスク（ムスケ・セレクション）ソーヴィニヨン・ブランの亜種の一つであるソーヴィニヨン・ムスクは、フランスから１９６２年にやってきたとされますが、その当時はソーヴィニヨン・ブランとして扱われていました。１９７４年にソーヴィニヨン・ブランと明確に区別されるようになり、ソーヴィニヨン・ムスクという名称が付けられたのは１９７８年のこと。最大の特徴はその独特の芳しいアロマにあり、一般的なソーヴィニヨン・ブランに比べて植物的ニュアンスが少ないとされます。その豊かな果実の表現から特に近年注目度を増しており、五大ＳＢのアラウホやスポッツウッド、ＷＳ誌品種歴代１位のメリー・エドワーズ、四大女史ミア・クラインによるセリーン、パリ事件の覇者スタッグス・リープ、ベネット・ヴァレーの名門マタンザス、全米ＳＢランキング上位常連のケークブレッドなどなど、この品種の名手達がこぞってブレンドに用いています。最近ではソーヴィニヨン・ムスク１００％で造られ、ラベル（名称）にもSauvignonMusqueとしてリリースするワインが現れ始めるほど人気を博しています（>>一例）。例年、若干のセミヨンがブレンドされるのが特徴です。ＰＭでは近年、このセミヨン種への関心を高めており、そのパッションの証として、セミヨンの使用比率を約５０％にまで引き上げた新作『クーラ・クール』（CoeuretCoeur）を発表。早くも【RP98点】にまで到達しています。方向性としては「食事向き」を前提に造られてはいるのでしょう。しかし私イナムラ＠てんちょにとっては料理など単なる邪魔者に感じてしまいました。「ワインは本来、料理を引き立てるもの」との解釈は、この作品の前には意味を成さないように思います。私にはどう考えてもこのワインが食事に合うとは思えません。だってこれ自体がもうすでに料理をも超えた白い御馳走だと思うから。因みにラ・プレ・ミディとは「午後」を意味する言葉（LAplesMidi=TheAfternoon）。午後に楽しみたいソーヴィニヨン・ブラン…との意味合いなのだそうですが、わかります…だって、こんなワインを午前中から飲んでしまったら、正直、もう午後は何もしたくありませんよ…。240本完売！　12本追加いたしました。